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思い出深いインタビュー

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 国体(国民体育大会)は全国的なニュースとしてはほとんど報道されないので「いつやっているの?」というのが一般の人の印象だと思います。ですが、アマチュアスポーツ選手にとってはひとつの目標になる大会です。マイナー競技であればなおさら。結果だけとはいえ全国紙の片隅に載るのですから。
 そんな国体ですが、開催地によっては地元メディアが比較的大きく扱うことがあります。地元テレビ局、地元紙(地域によっては2~3紙が取材していることも)、ケーブルテレビ局、そして全国紙やスポーツ紙の地方版。マイナー競技をこれほど厚く取材することはありません。おそらく普段はその競技をほとんど取材したことのない記者が駆り出されているのでしょう。私も取材をする立場として経験のあることなのですが、実はこういう取材はとても怖いものです。ほとんど予備知識がないのですから当然です。
 そんなときは普段からその競技を取材していそうな人を見つけて名刺交換し、「実はあまり知らないので…」と打ち明けてしまい、情報を仕入れるのが手っ取り早くて安心です。「恥を忍んで」さえクリアしてしまえば一通りの情報は聞くことができるのです。
 数は多くないですが、私もそうやって逆取材をされることがあります。そうなるとこちらも同業者として冷たくあしらうこともできません。聞かれればいろいろと話をすることになります。「教えて、教えて」と露骨にするのではなく、雑談しながらうまいこと聞いてくる記者にはしゃべりすぎてしまったりして、後から「なかなかやるな!」と思ったこともあります。
 さて、あるテレビ局の話です。あまりにも人手が足りなかったのでしょう。カメラマンがたった一人で来ていて、「だれだれさんのコメントを取りたいのですが、インタビューもできない」と嘆くのです。「つきましては、なんとかその聞き役をしてもらえないでしょうか」(こんなセリフではありませんでしたが)と言うのです。これには正直に言って苦笑いするしかありませんでした。でも結局「これも取材の思い出になるかな」と引き受けました。フリーランスの記者としてはあるまじきことですが、記念に残るノーギャラの仕事です。幸いなことに、こんなことは後にも先にもこれ一回だけですが。