athlete knowledge

アスリートとアスリートを応援する人のための知識データベース

監督への道のり

0 image 0012

 さまざまなチームスポーツがありますが、シーズンオフの話題のひとつに監督の辞任と新監督の就任があります。サッカーや野球のようなプロスポーツなら成績が興行に直結します。監督の手腕が人選の決め手になるのです。ですがこの手腕というのが目に見えにくく、メディアやファンは喧々囂々と意見を交わし合うのです。
 これまで監督経験のない人物が監督に就くこともあります。このとき手腕は未知数。とてもリスクが高いことのはずです。選手時代に人気があれば、監督としての手腕はとりあえずは問わないのです。もちろん選手時代にリーダーシップくらいは発揮していたでしょうが、それはキャプテンの素養であって、決して監督の適性とは関係ないはずです。それでも次はあの人だろうな、という流れがいつの間にかできている人がいます。なぜ我々を納得させるのだろうという疑問を持っていました。
あるアマチュアチームの選手を取材したときに、ちょっと別の角度から答えが見えたような気がしました。
 その選手は大学生のときから将来、トップリーグの監督になりたいと思っていたそうです。学生時代から監督代理のような立場でチームに関わっていて、その魅力に取りつかれたといいます。だから卒業後どこでプレーしようかと考えたときに、将来、監督への道が開けそうなチームを選んだというのです。具体的には自分よりも数年先輩にどんな選手が在籍しているかを重要視したというのです。その世代に監督の適性がありそうな人物がいれば、単純な優先順位でやや分が悪いと考えたのです。レギュラーになるために、自分と同じポジションにだれがいるかを考えてチームを選択するというのは聞いたことがありましたが、監督を見据えて、という話を聞いたのはこのときが初めてでした。
 アマチュアでさえそうなのですから、プロスポーツではもっとシビアに現役時代を過ごすでしょう。生え抜きとしてそのチーム一筋で現役を終えた方がいいか、逆に晩年になって移籍をした方がいいか。もしかしたら移籍契約のオプションとして「監督候補」というものがあるかもしれません。そうした中で、存在感を示し続けられた人がチームとファンを納得させるようになっていくのです。
 先ほどの選手は今ではベテランと呼ばれる年齢になってきました。そのチームを客観的に見ると、確かに彼が次の監督だろうな、と思わせられます。まだわかりませんが、彼の10年来の野望は達成されそうです。スポーツの世界で、選手から監督まで、長く第一線で活躍し続けるのは、プレイヤーとして一流であると同時に、自己プロデュース力といったものが必要なのです。