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まさかの日本シリーズ進出

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「今年の阪神は運が良かったな」と思っている野球ファンは少なくないのではないだろうか?
 今シーズンの阪神は開幕から先発投手陣は低空飛行を続け、決して良いわけではない打線の頑張りでなんとか上位に喰らいついてきた。
  しかし夏場以降、何度か訪れた首位奪取の機会はことごとく巨人に跳ね除けられ、9月9日からの直接対決で3タテをくらいジエンド。最終戦でなんとか2位を確保したものの、チーム防御率は3.88で5位、チーム打率は.264で3位。投打が中途半端にしか噛み合わない今シーズンを象徴するような数字でシーズンを終えた。
それがCSファーストステージは広島に連勝。ファイナルステージは巨人相手にまさかの4タテで日本シリーズ進出を決めてしまった。

投打が噛み合ったCS

 CSでのチーム防御率は1.42、勝ち頭のメッセンジャーや藤浪晋太郎のほかシーズンで成果を出せなかった能見篤史や岩田稔ら先発投手陣が踏ん張り、6試合6連投の呉昇桓につないだ。打線もチーム打率こそ.265でシーズンを1厘上回っただけだったが、ファイナルステージではトップに入った西岡剛が.400、2番の上本博紀が.444と上位が高い出塁率を残しチャンスをつくり、鳥谷敬、ゴメス、マートンで計16打点と中軸がしっかり返し、残ったチャンスは下位を打つ福留孝介がダメを押す、という作戦の教本のような攻撃ができていた。投打ともに調子の上昇局面でCSを迎えられたというわけだ。

実力以上の勝率だった今年の阪神

 シーズン中噛み合わなかった投打の歯車が、CSで噛み合ったのだから、今年の「阪神は運が良かった」のだろう。
もちろんこれを運だけで片付けるわけにはいかない。戦術、技術、メンタル、様々な要因があるが、今シーズンの阪神がツイていたというのも事実。数字の裏づけもある。
 総得点と総失点から、そのチームの適正な勝率を予測する「ピタゴラス勝率」(総得点の2乗/総得点の2乗+総失点の2乗)という数値がある。
この数値で今シーズンの阪神を見てみると、ピタゴラス勝率は.488。5割を割り込み、辛うじてAクラスというのが、今シーズンの阪神の実力だったということになる。シーズン中の投打の「中途半端感」を考えると、妥当な数字? といえないこともない。
対して、実際の勝率は.524。ピタゴラス勝率との差は.036、これはロッテと並んで12球団トップの数字だ(※小数点以下3桁まで、正確を期すとロッテが.03642差、阪神が.03636差でロッテの方が僅かに高い)。
   この差こそが、なんとなく感じていた阪神の実力と結果のギャップの要因であり、運に左右されやすい野球というスポーツにあって、シーズンを通して阪神がツイていた証左でもある。
   しかしツキを味方にできたのはCSまで。日本シリーズは1勝4敗で敗れた。最後は実力の差が出たということだろうか。