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攻から守への切り替え:プレッシング

ゾーンプレッシング「攻撃から守備への切り替え」の場面で起こる守備の方法のことを言います。

ボールを奪われて5秒以上経過したり、タッチラインやゴールラインをボールが割った場合、ファールやGKがボールキャッチした場合はゾーンプレッシングにはなりません。

ゾーンプレッシング開始位置4種類:

・高い位置
・3/4の位置
・ミドルゾーンの位置
・低い位置

ゾーンプレッシングの開始位置
を分析することで、そのチームの守備のプレーモデルがわかります。
チームのゾーンプレッシング開始位置によってFW、MF、DF、GKのポジションが異なり、個々の役割が違う点も大事です。

Master

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Master

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どこでボールを失ったか!

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ポゼッションを失ったら何をするか!

A:ある決まった位置へプレッシャーをかけて相手を追い込む


サイドへ追い込む利点:
・サイドはタッチラインが近いのでパスのオプションが少ない(グランドの真ん中の半分である)
・グランドの視野もより狭く、プレーをする幅が小さい

センター(グランド真ん中)へ追い込む利点:
・もし、センターに良いディフェンスができる選手がいる場合
・もし、数的有利である場合
・もし、サイドのエリアに相手チームの素晴らしい選手がいる場合


B:ある一定の位置に相手チームがボールを運んできたら、プレッシャーをかける

・相手チームに攻撃を始めるオプションを与える(例:一度、自陣の低い位置に後退する)
・ポジショニングを整えてから、相手にアタックする


C:スペースを縦に横に縮小する

・ポゼッションを失ったゾーンへ素早く動いて横のスペースを縮小する
・前のライン(FW)と後ろのライン(DF)が接近して、縦のスペースを縮小する


D:ポゼッションを失ったゾーンで数的優位をつくる
   
    ¡バルサやバイエルンミュンヘンがやってますね!



E:素早くディフェンスに入る

マークのタイプ

マーク:レベル1

考慮すること:マークの前提条件
・ポジショニングの基礎
・マークをする局面
・マークの手順
・予測


マークをする:
・ボール保持者をマーク
・ボールを受ける可能性がある相手のマーク
・直接的にボールを受ける可能性がない相手のマーク


マークのタイプ:

ゾーン:
・自分のゾーンに入ってきた相手をマークする
・ボールの動きに釣られないようにする
・ボールの場所に応じてチームがブロックとして上下左右に動く

マンツーマン:
・相手を決めてマークをする
・多くの厳しい規律と制約がある
・フリーになっている相手を見つける
・正しくPermuta(守備:空いたスペースの穴埋め、カバーリング)を行い、相手のDesdoblamiento(攻撃:味方選手が空けたスペースに、他の味方選手が、その空いたスペースを使う動き)に対応する。


ミックス:
・自分のゾーンに入ってきた相手をプレーが途切れるまでマンツーマン・ディフェンスをする
・明確に守備範囲を決めて、味方がどの相手をマークするのかを見る


コンビネーション:
例:ゾーンとミックスのコンビネーション・ディフェンス
例えば、4人のMFの真ん中の2人がミックスで外側の2人がゾーンで守る等。
(バルサやバイエルンミュンヘン、ワールドカップ優勝時のスペイン代表など、多くのチームがコンビネーション・ディフェンスを使っています。)

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ポゼッションを失ったとき、ディフェンスの選手は何をするのか!

Master

ポゼッションを失ったとき、DFの選手は何をするのか!

・ボールにプレッシャーをかける選手は誰なのか

・ボールにプレッシャーをかけている選手の近くにいて、同じライン(例:MFライン)にいる選手は何をするのか

・ボールにプレッシャーをかけている選手の近くにいないが、同じラインにいる場合は何をするのか
(例:左SMFが左サイドでプレッシャーをかけていて、自身は右SMFで右サイドにいる場合)

・ボールにプレッシャーをかけている選手の近くにいなく、後ろのラインにいる場合は何をするのか
例:自身は左SDFだが、現在、右SMFが右サイドでボールにプレッシャーをかけている場合)

・ボールにプレッシャーをかけている選手の近くにいなく、前のラインにいる場合は何をするのか
(例:自身は左SMFだが、現在、右SDFが右サイドでボールにプレッシャーをかけている場合)


下記の表記は上記の言葉をいちいち書くと長くなるので、スペイン語の頭文字で表している。

・BPJ:ボール(B)にプレッシャー(P)をかける選手(J):
スペイン語 Balón(ボール), Presión(プレッシャー, Jugador (選手) 

・BPJCML:ボール(B)にプレッシャー(P)をかけている選手(J)の近く(C)にいて、同じ(M)ライン(L)にいる:スペイン語:Mismo(同じ)Línea(ライン)

・BPJNCML:ボール(B)にプレッシャー(P)をかけている選手(J)の近くにいないが(NC)、同じ(M)ライン(L)にいる:スペイン語:NCerca近くにいない

・BPJNCPL:ボール(B)にプレッシャー(P)をかけている選手(J)の近くにいなく(NC)、後ろ(P)のライン(L)にいる:スペイン語:Posterior(後ろ)

・BPJNCAL:ボール(B)にプレッシャー(P)をかけている選手(J)の近くにいなく(NC)、前(A)のライン(L)にいる:スペイン語: Anterior(前)


試合を分析するには、そのチームのシステムを理解する(例:4−2−3−1)。その上で、そのチームの「攻撃から守備への切り替え」の全体構造を知るために、上記のように分析するポイントをしっかり把握しておくことが大切である。

試合を分析する際に、まずは「チームの全体アクション」を見る

1. プレッシング
2. 後退
3. プレッシングと後退

ボールを相手チームに奪われたとき、「プレッシング」をかけるチームなのか、一度、自陣に「後退」して、守備ブロックを整えてからプレッシャーをかけるチームなのか、それとも、前線の4人はプレッシングをかけ、残りの選手は後退する「プレッシングと後退」のチームなのかを分析することが重要である。
 

例:プレッシング:攻撃から守備への切り替え

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例:高い位置のセンターでポゼッションを失った場合:ポゼッションを失った選手と同じラインだがボールから離れた位置にいる場合)

相互関係のあるライン:同じラインにいるが、近くにいない選手の行動

特徴:
・ポゼッションを失ったゾーンの危険性は少ない(高い位置なので)
・もし、ボールを取り戻すことができたら、敵のゴール前なので、攻撃することが可能である

選手の連携:
・最大限ワイドにポジションを取っている場合は、ボールの方へラインを縮小させる
・高い位置のライン間のパスコースを狭くする
・グランド内側へのパスコースを守ることを優先する
・ボールを自分自身より前に超えさせない
・敵ゴールへの深さを縮小させる(ライン間を縮小してコンパクトにする)


選手:ボールから遠い位置で同じラインにいる選手のプレッシング
・ボールが自身に最も近いゾーンに来たら、相手チームがボールを失うまで、ボールの近くにいるMFラインの選手と協力して激しく急き立てるようにプレッシャーをかける。
・もし、グランドのセンターでボールを失ったら場合は、タッチラインの方へプレッシャーをかける。
・ボールがプレーされている場所へラインを縮小させる。味方がボールを取り戻した場合にそなえて、パスを受ける可能性を考えておく。

FCバイエルンミュンヘン・システム(前半14分まで)

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FCバイエルンミュンヘン・システム(前半14分から)

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プレッシング①:FCバイエルン・ミュンヘン

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ゾーンプレッシング開始位置:ミドルゾーン

ポゼッションを失った場所:センター

ディフェンス選手の役割:

・BPJ(ボールにプレッシャーをかける選手):
 2人:
センターへの縦パスのコースを切り、サイドに追い込むボランチのシャビ・アロンソとラーム
・BPJCML(ボールにプレッシャーをかけている選手の近くで同じラインにいる場合):
 0人

・BPJNCML(ボールにプレッシャーをかけている選手の近くにいないが、同じラインにいる場合):
 3人:
ボールの方へラインを縮小させる動き。左SMFのベルナト、右SMFのチアゴ、トップ下のシュバインシュタイガー
・BPJNCPL(ボールにプレッシャーをかけている選手の近くにいなく、後ろのラインにいる場合):
 3人:
DFラインの横幅を縮小。プレッシングがかかるまで、ラインを少し下げ、プレッシングがかかったら、ラインキープ
・BPJNCAL(ボールにプレッシャーをかけている選手の近くにいなく、前のラインにいる場合):
 2人:
FWはオフェンシブ・ポジション(Disposición Ofensiva)を取っている


FCバイエルンミュンヘンのプレッシング2種類:

グランドのセンターでボールを失った場合(グランドを縦に3等分して、ペナルティエリアの横幅)
グランドのサイドでボールを失った場合(グランドを縦に3等分して、ペナルティエリアの縦ラインからタッチラインまでの幅)

FCバイエルンミュンヘンのプレッシングは、ボールを失った瞬間から素早くボールの近くにいる選手が激しいプレッシャーをかけて複数で数的有利をつくりボールを取り戻すようにしている。


 

センターでボールを失った場合の菱形プレッシング(4人)

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FCバイエルンミュンヘンはセンターでボールを失った場合、ボールに一番近い選手がサイドへ追い込むようにプレッシャーをかけ、ボールにプレッシャーをかけている選手の近くにいる選手がプレッシャーをかけている選手と協力して、4人で1人のボール保持者に激しいプレッシャーをかけてボールを取り戻す方法を取っています。

基本的な4人でのプレッシャーのかけ方は、4人で菱形をつくり、その中にボール保持者を置く。その小さなゾーンから、相手を出さない、パスをさせない、激しくボールにプレッシャーをかけボールを取り戻すディフェンスをしています。ハイリスクではありますが、非常に緻密な4人でのプレッシングとカバーリングをしています。


菱形プレッシング:

ボールに一番近い選手が、前からプレッシャーをかけコースを限定、次にボール保持者の後ろからプレッシャーをかけ2人で挟むようにします。次に左右から激しくプレッシャーをかけ、それをほぼ4人同じタイミングで素早く激しく行います。

ただ、その狭いスペースの中で、4人のディフェンスの何人が本当にプレッシャーをかけるかは、その状況によって異なります。

3人がプレッシャーをかけ、1人がカバーリングする場合。2人がプレッシャーをかけ、2人がカバーリングする場合もあります。4人全員でプレッシャーをかける場面はほとんどありません。基本的に縦パス、グランドセンターへのパス、斜め前方へのパスを最も警戒します。そのため、前と後ろからボール保持者を挟むことができた場合は、左右の2人は斜め前方へのパス警戒のため、カバーリングに入ります。
 

サイドでボールを失った場合のプレッシング(3人)

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ゾーンプレッシング開始位置:高い位置

ポゼッションを失った場所:サイド

ディフェンス選手の役割:

・BPJ(ボールにプレッシャーをかける選手):
 1人:
左サイドにポジションを取っていたシュヴァインシュタイガーがファーストDFとして、センターへのパスコースを切って激しくプレッシャーをかけ、サイドへ追い込む
・BPJCML(ボールにプレッシャーをかけている選手の近くで同じラインにいる場合):
 2人:
ボールを失ったベルナトは、すかさず、シュバインシュタイガーのカバーリングに入る。もう1人のシャビ・アロンソはスペースをカバーして、センターへのパスコースを警戒している
・BPJNCML(ボールにプレッシャーをかけている選手の近くにいないが、同じラインにいる場合):
 1人:
右MFのチアゴはボールの方へラインを縮小させる動き。
・BPJNCPL(ボールにプレッシャーをかけている選手の近くにいなく、後ろのラインにいる場合):
 3人:
この写真には写っていないが、DFラインの横幅を縮小。プレッシングがかかるまで、ラインを少し下げ、プレッシングがかかったら、ラインキープ
・BPJNCAL(ボールにプレッシャーをかけている選手の近くにいなく、前のラインにいる場合):
 2人:
FWのミューラーはMFラインに入る動き、もう1人のFWレヴァンドフスキはFWとMFとのライン間を狭くしている)

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3人でサイドに追い込むプレッシング

サイドでボールを失った場合は、ボールに最も近い選手がセンターへのパスコースを切りながら、素早くプレッシャーをかけ、タッチライン側へボール保持者を追い込みます。タッチライン側前方へショートパスを出させて、ボールを受けた選手を前と後ろから挟んでボールを取り戻します。その時センターへのパスコースを防ぐために、もう1人がスペースにカバーリングに入ります。

タッチライン側に追い込まれたボール保持者がConducción(スペースへボールを運ぶドリブル)を使って前方へボールを運んだ場合は、ボールにプレッシャーをかけている選手(センターへのパスコースを切っている)のカバーリングに入っている選手が前方へのConducciónのコースである縦のスペースを切り、2人で挟み込むようにしてボールを取り戻します。その時もう1人はセンターへのパスコースを切るためにスペースへのカバーリングに入ります。ファーストDF、セカンドDF、スペースへのカバーリングDFの3人でサイドでプレッシングを行います。


ボール保持者の後ろに必ず1人、サポートの選手が入る
プレッシングは最もボールに近い選手のプレッシャーをかける速さ、激しさが最も大事です。それと同時に、バイエルンミュンヘンやバルサは攻撃をしている時から、ボール保持者の後ろに必ず1人サポートを置き、前方へパスコースがない場合、後方へのバックパスのコースを確保しています。もし、ボール保持者がボールを失ったとき、素早くプレッシャーをかけることができるようにするために、ボール保持者の後ろに必ず、1人、サポートの選手を置くようにしいています。

このサポートに入る動きによって、ボール保持者がボールを失ってもすぐにプレッシャーをかけることを可能にしています。

FCバイエルンミュンヘンの場合は、基本的にプレッシングに参加するのは、FWとMFとSDFの選手です。SDFは中盤に参加しているときは、プレッシングに参加しますが、それ以外のときは、カバーリングのポジションを取っています。SDFがプレッシングに参加するのは、自身のゾーンにボールがあるときだけです。もし、状況によってSDFがプレッシングに参加した場合はボランチがそのポジションを埋めています。