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アスリートとアスリートを応援する人のための知識データベース

前回に引き続き、『地面は押すの?蹴るの?』について、続編として書かせていただきます。

この前の記事は、例えが悪かった、と反省しています。
足(脚)を例にしないとイメージできないですよね。

今度は、良い例になると思って、自転車漕ぎを挙げたいと思います。もちろん立ち漕ぎです。
自転車で速く進もうとしたり、坂道を上がろうとすると、必ず立ち漕ぎになります。
この場合、二つの漕ぎ方があるでしょう。「上り坂」と「速さ」を例にして説明します。

①自転車で坂道を上がるとき
体重を片脚にかけながら、股関節⇒大腿⇒足へと力を伝え、ペダルに力を注ぎます。
最後に足首まで動かせることは何となくわかっていただけるはずです。

②自転車で平坦道を全速で進むとき
上体(股関節)を固定して、一気に膝を伸ばしながらペダルに力を伝えるはずです。
この漕ぎ方の場合、足首をあまり動かせないのが普通です。
自転車の場合は、ペダルが動きますが、走りの場合は、相手が地面ですから、自分の身体が動くわけです。

前回も説明しましたが、使い方が違うので、動員する筋肉も違ってきます。
①は、股関節、膝関節、足関節と全ての関節を動かそうと筋肉が働きます。
②は、股関節と足関節を固定するようにして、膝関節だけを動かすように筋肉を働かせます。
例えば、②は「つま先接地」に向く走りで、①の使い方で走る人は、つま先接地はやめたほうがいいと思います。

自然に走りに向く接地になっていくものです。以前に書いたように、接地の意識を先付けしないことです。

その延長の考え方として、コースのアップダウンの走り方があると思っています。
平坦、上り、下りと道路コースでは、走路環境が随時変化します。状況に応じた身体の使い方をしたいのに、「身体はこう使うんだ!」と決めたらできません。決めないことも大切なような気がします。

チェンジオブペースという言葉がありますが、チェンジオブフォームという言葉もあり、でしょうか(笑)。

それを説明するのに、具体的に名前を挙げさせていただきます(失礼ながら!)。
代表的な選手を挙げると、

①の身体の使い方で走るのが、男性ならダイナミックに走る高岡さんであり、女性なら華麗に走る福士さん。

②の使い方で走るのが、男性ならこ気味良く進む佐藤悠基さんであり、女性なら軽やかに走る新谷さんでしょうか。

私はそういうふうに身体を使っているように見えます。
典型的な2種類の走り方(身体の使い方)を紹介していますが、両方の使い方をミックスさせたり、使い分けたりすることができると良いと思います。

ちなみに、弘山晴美は、②の走りもできたのですが、距離を伸ばしていくために、敢えて、①の走りをさせていました。ただし、ラストスパート時は、②に近い走りに変えていました。

思い出されるのが、1997年の日本選手権1万m。ラスト1周を61秒9で回ってきました。タイムも31分22秒でしたから、レベルの高いラストスパートです。あの時の走りは今でも思い出すことができます。そのくらいチェンジオブフォームができていました。

一瞬で力を発揮できる②の使い方は、ピッチを速めることができますから、スピードはグンと高まります。ラスト勝負は強いでしょう(ただし、相当に高い全身筋力と筋持久力が必要)

この記事を書いていて頭に浮かんだのが、2014年の日本選手権の男子1万m。佐藤選手と大迫選手の最後の争い。
ダイナミックに走る大迫選手が逃げて、佐藤選手がラストスパートで鮮やかに勝利しましたね。
大迫選手がチェンジオブフォームを出来ていたら、勝負はわからなかったのかもしれません。なんて、思ったりしています。

こういう観点で有名選手の走りを分析するのも、レースを楽しく観戦する方法となります。
マラソン選手には、どちらのタイプが多いのか、興味が湧いてきます。

最後に、もう一つ例を出すと、自転車のサドル(椅子)を低くして速く進もうとしてください。
②の漕ぎ方はできません。強く漕げないし、脚がすぐに疲れると思います。
重心が低い膝が伸びにくい走りは、まさに、この状態と言えるでしょう。

持久力を高めたい方は、重心の位置を高くすることで、筋疲労がかなり軽減されますよ。
ぜひ、心掛けていただきたいと思います。

自転車に乗る方、このブログを思い出して漕いでみてください。自転車を考えて漕ぐのも面白いと思います。
また、スポーツジムへ行かれる方には、立って行うエクササイズマシンがあります。
私もやったことありますが、けっこう走りに繋がる運動ができますよ。押す感覚が掴めるはずです。

こちらも試してみてください。

 

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