athlete knowledge

アスリートとアスリートを応援する人のための知識データベース

骨折が多い選手は炭酸飲料好き

Master

ユース時代の吉田選手にお話したことは、こんなことでした。
炭酸飲料がなぜいけないか。ひとつは、炭酸飲料には、お砂糖がたくさん入っているということ。ふつう、飲みものを飲んで、「甘いな」と感じるには、だいたい10パーセントの糖度が必要といわれています。ということは、100㎖の飲み物なら10グラムのお砂糖量になります。500㎖のペットボトルだと、50グラム。それだけのお砂糖を舐めることを考えると、ちょっと怖くなる数値ですよね。お砂糖もエネルギー源になるのでは? と聞かれることがありますが、お砂糖をたくさんとると、糖分をエネルギー源として燃やすときに、ビタミンB1が使われてしまいます。
ビタミンB1は、本来、考えたり、走ったりするときにエネルギー源と一緒に、なくてはならいビタミンです。お砂糖をとりすぎると、ビタミンB1がものすごく使われてしまい、いざ、走ろうとしたときにエネルギー源がうまく燃えずに走れなくなる。もうひとつ、炭酸飲料やスナック菓子などには、リン酸塩という食品添加物が入っています。これは、昔、歯が溶けると言われた原因になった添加物。実際には歯が溶けるのではなく、カルシウムの吸収を阻害するのです。一番よくないのは、食事と一緒にとる炭酸飲料。これが習慣化してくるとカルシウムの不足を招き、骨折しやすくなったり、骨格の成長にも影響すると言われています。各地で小学生のサッカー少年に栄養講習会を実施していますが、骨折したことがある子どもの多くは、日常的に炭酸飲料を飲んでいる傾向が見られます。
グランパスに入ってくるユースの選手たちには、必ずこのような炭酸飲料の問題点について話をしています。話を聞いて、吉田選手のように自ら炭酸飲料を断つ選手がいる反面、小さいころから飲むことが習慣化していて、やめられない場合も多いのです。新人の選手が入ってくるときに、必ずする質問があります。それは、「炭酸飲料は小さいころ家の冷蔵庫によく入っていましたか? カップラーメンはよく食べましたか?」ということ。この質問で、およその選手たちの子ども時代の食習慣を把握することができてしまいます。つまり、炭酸飲料は特別なときにしか飲まない、カップラーメンはめったに食べない、と答える選手の多くは、子どものころ、お母さんが手作りした料理を食べて育っていて、食習慣のベースができています。
一方で、小さいころから炭酸飲料を飲むのが習慣になっていると、なかなか抜け出すことができません。炭酸飲料によるお砂糖のとりすぎで、血糖値が急に上がるのも怖いですね。急激な血糖値上昇のために、インシュリンがたくさん出て、低血糖を招く。そうすると、ボーっとしたり、だるくなったりして、気持ちを落ち着けるためにさらに甘いものをたくさんとりたくなるという悪循環が起こる。それで炭酸飲料は習慣化してしまうのです。
炭酸飲料に限らず、加糖の缶コーヒーにもたくさんのお砂糖が入っています。スポーツ選手の中には練習前にコンビニで缶コーヒーを買って飲みながら来る選手もいるようです。それが習慣になっているみたいで。スポーツをするとエネルギーが欲しくて甘いものをとることがありますが、そこを、手っ取り早くお砂糖がたくさん入っている甘い飲み物をとってしまうと、ビタミン不足を招いたり低血糖になったりして、自ら集中力や持久力を落としている場合あることを選手にしっかり伝えていかなければいけないと思っています。