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試合前日に食べてはいけないもの

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試合の前日に一番大事なこと、それは、「よく眠る」ということ。
しっかり眠れた場合と、眠れなかった場合では、コンディションがまったく違います。力のつきそうなものを食べたとしても、ぐっすり眠れなかったとしたら、試合当日のパフォーマンスが落ちてしまう。そのため、試合前日の食事は、睡眠を妨げない食事、質のよい睡眠になるための食事というものに調整することが最重要課題になります。
睡眠を妨げる食べ物はどんなものかというと、消化のよくないものです。脂質の多い、揚げもの、焼肉などの、いわゆる重たい料理。とんかつや焼肉を食べると元気がつくようなイメージはあるのですが、試合前日は逆効果です。脂質の多い食事をとってしまうと、消化に余計な時間がかかってしまいます。普通のご飯なら、3時間から4時間くらいで消化し終わるのですが、胃にもたれるような脂っこい料理をとると、8時間から9時間も消化活動が続いてしまいます。ということは、たとえば、夜7時に食事をしたとすると、通常なら、午後10時、11時くらいには消化活動が終わるのに、揚げものや焼肉を食べてしまうと、夜中の2時、3時まで消化活動が行われていることになり、早めに就寝しても、胃が動いているので熟睡することができません。もうひとつ、試合前日に大事なことがあります。試合前日の夜は、熟睡するということと同時に、リラックスするということも大事な要素。いつもと変わらないペースで、くつろいだ環境を作ることが大事になってきます。
ではリラックスさせるための食事というのはどういうものなのでしょうか? それは「特別なものは出さない」ということ。特別なものを出すと、人って、ちょっと興奮するんです。子どもが、お誕生日のごちそうを見て、「わーっ!」とはしゃぎますよね。それと同じで、特別な料理や、見たことのない料理は、選手を興奮させます。その興奮は、プレッシャーになったり、緊張を増すことにつながることがあります。
珍しい料理や、食べたことのないような豪華な料理などは、選手のリラックスということを考えたら、マイナスになります。ただでさえ、シェフが作るホテルの料理は非日常的なムードがあるので、ホテルでとる食事は、あえて、普段選手が食べている料理を並べるようにしています。
ホテルから最初にメニュー案が送られてきますが、上等な霜降り肉のステーキやこってりした洋風のメニューがあったら、豚のしょうが焼きやハンバーグに変えるようにします。また、ホテルの料理はグラタンやドリアなど、チーズをたっぷり使った料理が多いのですが、チーズは脂質が多く、消化も悪いので、チーズの量を減らしてもらったり、メニューから外したりします。さらに、ホテルのメニューはお肉やお魚メインのおかずが多くなりがち。メインのおかずだけで5品くらいあがっていることもあります。5品もあると、選手たちもどうしても目移りして食べ過ぎてしまうので、メインの料理は3品に減らし、その分を、サラダ、小鉢、煮物やスープなどの野菜料理に変えています。このとおり、試合前日の食事は決して特別な料理ではありません。普通すぎるくらいの献立。ぐっすり休んで、翌日力を発揮するためには、特別な料理ではなく、ごくありふれた家庭料理が一番なのです。