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いつの時代にも現れる「中年の星」

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   時の流れには逆らえず、生きている限り誰もが齢を重ねる。子どものころ、オッサンに見えたプロ野球選手も、自分と同じ歳の選手が出てきたと思っていたら、主力選手になり、タイトルを取り、メジャーに挑戦し、ついにはユニフォームを脱ぐ。そんな選手たちを見ながら、つい自分の人生を省みてしまう、という野球ファンも少なくないはずだ。
 かつてなら門田博光、大野豊、工藤公康、最近ならば三浦大輔、いつの時代にも「中年の星」と呼ばれるベテラン選手が現れるのは、プロ野球と自分の人生を重ね合わせてみている人が少なくない証左だろう。「プロ野球は社会の縮図」といわれる所以である。

 

選手寿命が延びている

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   今一番の「中年の星」といえば山本昌になるだろう。山本昌の場合、史上最年長記録を更新中なので、「中年の星」どころかレジェンドの域に達しているといっていい。「高齢化社会」の生んだスターだ。
 かつては30過ぎればベテラン、40歳以上の選手は稀少、45歳まで現役を続けた野村克也がレジェンドだった。今からちょうど30年前、1985年のシーズン40歳以上の選手はゼロ。最高齢は山本浩二、衣笠祥雄、有藤通世ら1946年度生まれの39歳。この年、ちょうど40歳を迎えた高田繁は現役引退から5年ぶりにグラウンドに戻り、日本ハムの監督に就任している。
 翻って今年度、40歳になる選手は実に22人を数える。和田一浩(43歳)、井口資仁(41歳)、松井稼頭央(40歳)などは堂々のレギュラー、黒田博樹(40歳)は優勝請負人としてローテーションの中核を担う。
 近年、選手寿命が延びているのは、社会が高齢化していることも要因なのかもしれないが、科学的トレーニングの普及も大きいだろう。身体をしっかりとケアしているトップアスリートほど選手寿命が長くなるのは野球に限らないスポーツ界全体の傾向だ。

 

中心世代は88~90年度生まれに

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  ただベテラン選手は存在感が大きいので、人数が多いように思えるが、70年度代以前の出身選手は思ったよりも少ない。2015年シーズンの選手の出生年度別の内訳を調べたところ、育成選手も含めた全879選手中、60年度代出身は山本昌(65年度)、中嶋聡(68年度)、斎藤隆(69年度)の3人、70年度代出身は58人、合わせても選手全体の約7%ほど。最も人数の多い1990年度生まれの選手よりも少なかった。
  年度別の選手数は90年の74人、89年の69人、88年の68人と続いている。彼らが現在のプロ野球の中心世代ということになる。88年は斎藤佑樹、柳田悠岐、坂本勇人、澤村拓一ら「ハンカチ世代」で彼らまでが昭和生まれ。中田翔、伊藤光、菅野智之らは平成元年組になる。今シーズンは昭和生まれの選手が470人、平成生まれの選手は409人。昭和生まれの選手が若干多いが、この2、3年のうちに逆になるだろう。
 世代の新陳代謝を繰り返しながら続いていくプロ野球。今シーズンもベテランの頑張りに声援を送りつつ、新世代のスターの誕生にも注目したい。