athlete knowledge

アスリートとアスリートを応援する人のための知識データベース

7 “気づき”を風化させない

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実際に「ブラインドウォーク」を体験したあと、「名前を言ってくれないと、誰に対する指示かがわからない」「段差があるよ、と言われても上りの段差か下りの段差かがわからず怖かった」などという目隠し側の意見、「いざというとき、瞬間的に言葉が出ないで危険にさらしてしまった」「伝えることを整理しないと、相手を混乱させてしまう」などというナビゲーター側の意見が出てきました。体験を通して得られた気づきや発見は、その直後は新鮮で、印象的なものかもしれませんが、時間の経過とともに記憶から薄れ、風化していくものです。そのため、新たな気づきや発見を意識的に心に留めておくための作業として、“ ふりかえり” を行うのです。紙に書き留めた上で、それをチーム内でシェアするのも1つの方法です。

8「気づき」を競技場面に応用する

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そして最も大切なのは、その気づきを「日常」や「競技場面」に置き換えて具体的な目標などを立てることです。それを怠ると効果は薄れてしまいます。たとえば、先ほどの「いざというとき、瞬間的に言葉が出ないで危険にさらしてしまった」というふりかえりですが、サッカーでも「危ない」と思った瞬間に、伝えたい仲間の名前が出てこない、そんな歯がゆい思いをした経験は私にもあります。ブラインドウォークでの気づきを競技場面にもつなげて考える思考を鍛えると効果は絶大です。ふりかえりの記述は、必要に応じて指導者が回収するのも有効です。活動を通して得た気づきや目標を指導者が共有していれば、選手たちの成長を確認する材料にもなります。時には選手を呼び止めて、「この前こんな目標立てていたけど、練習中にきちんと意識できているかな?」などと声をかけてあげれば、最高のコミュニケーションツールにもなります。

9 習慣化していくためのプロセス

​私自身の経験談をさせてください。私は1つのことを習慣として身につけるにはどういうプロセスがあるのかを知りたくて、自分自身で実験をしてみました。当時、大学時代の私がなかなかできなかった「靴を脱いだらそろえる」という当たり前のことを、習慣になるまで徹底しようと心掛けました。靴を脱ぐシーンは1 日何度もありますが、毎回意識し続けました。しかし、部屋から出るときになって靴がそろっていないことに気づき、がっかりすることも時々ありました。「意識すればできるが、意識していないとできない」そんな状態でしたが、ひたすら続けたある日、部屋にいるときふと「靴をそろえたかどうか、記憶にないぞ」と思い、玄関に向かってみると、きちんと揃っていました。ということは……、無意識で靴をそろえることができた、ということです。ここで伝えたかったことは、習慣にするための4つのプロセスです。
①無意識だからできない(気づいていないからできない)
②意識していてもできない
③意識していればできる
④無意識でもできる
 スポーツでも同じだと思います。まずは「できていないという事実に気づく」ことから始まります。そしてそれに対して意識を向けていき、あとはひたすら習慣になるまで繰り返すことが大切です。苦しいときに習慣がモノを言うのです。ふりかえりで目標設定ができたら、あとは習慣化あるのみです。

チームワーク向上を目指す上での理想の選手像

[ 非依存 ]
■いやなことは、いやとはっきり言える 
■小さな失敗をおそれない
■新しいものごとに、すぐに慣れることができる 
■何事にも思い切って挑戦することができる
■自由な発想ができる

[ 交友・協調 ]
■グループをうまくまとめることができる 
■おとなや年上の人と、うまくつきあえる
■仲間の良いところに気づくことができる 
■仲間とうまくつきあえる 
■だれとでも仲良くできる

[ 積極性 ]
■前向きに、物事を考えられる 
■自分の力で、問題を解決しようとする 
■未来への夢と希望をもっている 
■あきらめずに目標に向かって努力できる
■自分からすすんで何でもやる

[ 現実肯定 ]
■「ありがとう」「ごめんなさい」が上手に言える 
■自分の気持ちをからだ全体で表現することができる 
■生きていてよかったと思っている
■だれにでも、あいさつができる 
■自分のことが大好きである

[ 明朗性 ]
■だれにでも話しかけることができる 
■小さなことで、くよくよしない 
■いつも笑顔ですごしている 
■失敗しても、立ち直るのがはやい 
■イライラすることが少ない

[ 視野・判断 ]
■自分で問題点や課題を見つけることができる 
■わからないことは自分で調べる
■先を見通して、自分で計画が立てられる 
■さまざまな情報から必要なものが選べる
■自分のいいところ、悪いところを知っている

[ まじめ勤勉 ]
■していいこと、してはいけないことの判断ができる 
■嫌がらずによく働く
■きまりやルールを守ることができる 
■他人に親切である
■自分に割り当てられた仕事は、しっかりとやる

[ 適応行動 ]
■人の話をきちんと聞くことができる 
■その場にふさわしい行動ができる
■ひとつのことに打ち込むことができる 
■自分でできることは自分でやる 
■根気がある

[ 思いやり ]
■人のために何かをしてあげるのが好きだ 
■相手の立場になって考えることができる
■自分とちがう意見や考えを、受け入れることができる
■仲間の健康や安全に注意することができる 
■人の心の痛みがわかる

[ 日常的行動力 ]
■からだを動かしても、疲れにくい 
■とても大きな声を出すことができる
■部屋の中でなく外で遊ぶのが好きだ 
■いつも自分の健康や安全に注意している
■食べ物の好き嫌いが少ない

[ 自己規制 ]
■人の悪口を言わない 
■自分勝手なわがままを言わない
■身のまわりの片付けや掃除ができる 
■お金やモノのむだ使いをしない
■腹が立っても、おさえることができる