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そのころはまだ、明治神宮球場で野球を見たことのなかった私が、上京後「外苑前」に足繁く通うようになり、今では少なくても毎年30試合以上、神宮球場で試合を見るようになった。

2014年のスワローズ野球は、打ちまくるのに点を取られまくる。打たれるから投手交代も多く、試合時間が長い。「弱い」「長い」「辛い」の三重苦!前半戦はまるで拷問のようだった。球場で野球を見ることは義務だと、無意識のうちに感じている私はシーズン序盤からずっとモヤモヤしていた。

生で見に行っても、ニュースで結果だけを見ても面白くない。それでも、なぜか神宮球場に観客は大勢いる。弱くたってファンは応援し続けるしかないのだ。三重苦のおかげで、私の7月初めまでの球場口癖はダントツで「つまんない試合してるなぁ」だったし、終盤に追いつかれるたび「知ってたー」と言いながらガッカリする。同じパターンで負けることが、よりストレスに感じるのだと気付いたころにはもう、CS自力出場の可能性はなくなっていた。


 しかし終わってみれば、若手の躍動が見えた2014年度のスワローズ。右打者初の200本安打と最多安打、もしかしたら首位打者まで獲れるかもしれない! と、ファンを最後まで楽しませてくれた山田哲人。投手からのコンバートで野手となり史上2人目の月間MVP受賞、最終的には23本のホームランを打った雄平。正直、こんなに打てるようになるとは思ってもいなかった!

 いつも期待は大きく甘いマスクで女性人気も抜群のイケメンだが、必ず怪我をして戦線離脱する川端慎吾。9年目にして初の142試合出場を果たし、3割打者に。投手では後半戦、ローテーションの一角を担ったルーキー杉浦稔大。怪我で離脱したが、2015年シーズンは勝利を積み重ねていけるはずだ。2013年度新人王の「ライアン」こと小川泰弘も、打球が当たり骨折、離脱を余儀なくされるも終わってみれば二桁勝利。ルーキーイヤーよりも苦しんだように見えるが、やっぱりスワローズ勝利の柱となる投手だ。

 ここに、スワローズファンの中では神様のような存在でもある館山昌平(現在はリハビリ中)が復活すれば……。バレンティン、ミレッジの助っ人外国人が揃って大活躍してくれれば……。来年、もしかしたら上位の争いに絡めるかもしれない。石川雅規や村中恭兵、畠山和洋といったベテラン、中堅の生え抜き選手も負けじと競争意識を出し、FAで獲得した成瀬善久(元ロッテ)や大引啓次(元日本ハム)が活躍してくれれば言うことなし!

 だが、どうにも疑い深くなってしまうのはスワローズファンの特性(?)だろうか。「ヤクルトFA大勝利!」の文字はむず痒く感じる。大引の加入で、遊撃手が固定されるのは大きい。堅実な守備と勝負強い打撃があればスワローズの穴でもある固定できない遊撃手問題が解決する可能性はある。ただし怪我しなければ。

 成瀬も、同じく怪我さえしなければ先発ローテを崩すことなく投げられる期待はできる。ただし彼はここ5年間、勝ち数と同じくらい負けている。そしてこのことは結構知られているが、彼は被弾数が多い。セリーグは狭い球場での試合が多い。ホームとなる神宮球場、横浜スタジアム、ホームランが出やすいと言われる東京ドーム。この中でいかに最少失点で抑えられるか。「被弾王」の汚名返上!となるだろうか。
 
 何かと不安はつきまとう現状を考えると、FAでの補強は大成功とは言えない。個人的には、広島を退団したミコライオ、バリントンの獲得に手を挙げて欲しかった。外国人枠の問題があるのはわかっているが、最近のスワローズ助っ人投手は炎上型バーネットをはじめ頼りない。ミコライオも怪我持ちなので本来の力を発揮できるか、と言われれば微妙かもしれないけれど。

でも、ラインナップだけ見ればスワローズは結構強い。課題は投手補強というのは、ファンをはじめ誰もがわかっている事実。これだけ打てるメンバーが揃っているのだから、点を取られなければ勝てるはず。真中満新監督は二軍コーチ、二軍監督、一軍コーチを経験し、その手腕を買われて監督となる。現役時代〝代打の神様〟とも呼ばれ、勝負強さや明るいキャラクターが人気だった新監督は、この課題をどうクリアしてセリーグをかき回していくのか。カープが強くなりカープ旋風が巻き起こったように、Bクラス常連と言われつつあったカープ、スワローズ、ベイスターズが強くなっていけばセリーグはもっともっと面白くなる。ただし、しつこいようだが誰も怪我さえしなければ!

 来季は負けても、「良かったこと探し」ができるくらいの楽しみを与えてくれるチームに生まれ変わることを期待したい。2014年度チームスローガンの「這い上がれ!」。最下位となってからはほぼ浮上せず、後半に底力を見せても時すでに遅し。むなしく響くだけのスローガンだった気がする。2015年シーズンはしっかり食らいついて、全員野球を見せて這い上がってくれると信じているからね!